日大アメフト部悪質タックル問題 加害者選手の会見が成功した訳を考えてみる
会見の中継をリアルタイムで見ていて、まず「おっ」と思ったのは、同席した弁護士が発した「顔を出さずに何が謝罪か」という言葉だ。
弁護士は「本人とその父に対して、名前も顔も晒して会見するリスクを伝えたが、それでも決心が固かった。」というようなことを述べる中で、本人たちの言葉として「立てて」紹介した。
これはある意味、前振りである。本人の覚悟を印象付け、この後に続く謝罪の言葉に重みを与えたのだ。
その後の、事件についての説明は、時系列に沿って具体的かつ端的だった。彼はほとんど噛まずに、早すぎず・遅すぎないスピードで、用意したコメントを読み上げた。
大勢の前で、フラッシュを浴びながら読むなんて・・・。私は、業界の端っこで原稿を書いて伝える仕事を細々とやっている身だが、想像するだけで震える。
しかし、ここでつっかえたり、読み間違えたりしたら、真摯な思いが伝わらない。
おそらく、誰かのアドバイスを受けながら、何度も音読したのではないか。
質疑応答では、監督やコーチに対する感情的な言葉を引き出そうとする質問に揺さぶられることなく「謝罪会見」であることを貫いた。
どんな質問が飛ぶか、どう答えるべきかという想定も、当然ながらやっていただろう。
全体的に「被害者への謝罪と、真実を伝える」という趣旨に沿って、どのような順番で説明し、どのような言葉を選べば良いのかが、よく練られていた。
しかし、これくらいの準備は当然かもしれない。
わざわざマスコミを集めて会見を開くことの目的は、マスコミ、ひいては世間を味方につけることのはずだからだ。
何の想定も準備もせずに開くなんて恐ろしいことやる人なんて、まさ、か・・いる・・あ、Σ( ̄□ ̄;)